トイレの話
その父親には娘がいた。

子供の頃には一緒にお風呂に入ったりもした。しかし思春期になり
やがて父親を毛嫌いするようになった。それを寂しいと思いながらも
まあ当然だろうと納得をした。

娘が一番嫌がるのは、トイレで小用を足す時にドアを半開きしたまま
にする事だった。何度かその時に娘がドアを開けてしまい、その度に
怒られた。

やがてその娘は大学生になった。通わせるには無理な距離であり
東京で一人暮らしをさせる事になった。その引越しの時には勿論
一緒に行った。

しばらく仕事も忙しく、また父親に来てもらっても困るような感じの
娘の所へは行けなかった。だがさすがにほっておくわけにもいかぬ。
久しぶりに娘の所へ上京してみた。

心配したほどには、娘も嫌がらなかった。ほっとしてタバコを吸うと
娘はトイレに入っていった。だいぶ一人暮らしに慣れてしまったの
だろう。ドアを開けたまま、用を足していた。



何処かのバーで聞いた話である。
そのおっさんは、何処か嬉しそうな、何処か困ったような顔をしていた。
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by mnoji | 2005-04-24 23:49 | その時々
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